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片思いは結核よりも多くの人を殺すらしい

2017年5月5日、ウディ・アレン監督の新作「カフェ・ソサエティ」が公開された。
GW真っ只中、わたしは公開日の翌日のレイトショーで観に行った。
田舎なので、20時以降は空いてるだろう、と安心してたが、駐車場は激混み。
自分ひとりの運転で、こんな混んでいるところに停められるか・・・
半泣きになりながらなんとか駐車。なんでこんなに混んでるの?
ウディ・アレン大人気だな、と思いながらチケット売り場へ行く。
そこには行列があった。「美女と野獣」を観にきていたのだ。
月に数回映画館へいく私にとって、年に数回起こりうるこの現象(大混雑)にうれしくなった。
若者の映画館離れ問題。さすがに都内まで行くと混雑しているが、平日の地方の映画館なんて、5人くらいしかいない。
去年の夏、「君の名は。」のおかげで映画館は若い子で溢れていたし、「HiGH&LOW THE MOVIE」が公開されたときには
DQNやギャルで賑わっていた。正直死ぬほど怖かった。
2017年版「美女と野獣」には幅広い年代の男女が集まるだろう。
(ちなみに私も観に行ったんですがとても素晴らしい映画でした。フランス版のレア・セドゥ主演の「美女の野獣」を過去に観たことがあったので、ますますいい映画に感じます。)


ちなみに、「カフェ・ソサラティ」は10人もおりませんでした。
カップルしかいなかった。孤独を感じたが、これはカップルで観ない方がいいな、と思う。
いくら田舎だろうが、巨匠・ウディ・アレンの映画が公開日の翌日でこの人数ですか・・・と哀しくなる。
ってことで「カフェ・ソサエティ」のネタバレ有りなので、いやな方は要注意。

 

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あらすじ:
もっと刺激的で、胸のときめく人生を送りたい。
漠然とそんな願望を抱いたニューヨークの平凡な青年ボビーがハリウッドを訪れる。
時は1930年代、この華やかなりし映画の都には、
全米から明日の成功を目指す人々が集まり、熱気に満ちていた。
映画業界の大物エージェントとして財を築いた叔父フィルのもとで働き始めたボビーは、
彼の秘書ヴォニーの美しさに心を奪われる。
ひょんな幸運にも恵まれてヴォニーと親密になったボビーは、彼女との結婚を思い描くが、
うかつにも彼はまったく気づいていなかった。
実はヴォニーには密かに交際中の別の男性がいることに……。(シネマ・トゥディ引用)

 


主要人物4人だけ紹介。


●ボビー・ドーフマン(ジェシー・アイゼンバーグ )

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田舎から煌びやかな世界に飛び込んできた主人公。
叔父のおかげで仕事も得て、いい女たちと恋もする役。

娼婦を部屋に呼んでお金だけ渡して帰らせたりして、なんかよくわからないいい人ぶりを発揮してた。
↓以下現実世界の話
デヴィット・フィンチャー監督の「ソーシャル・ネットワーク」で有名になった彼。
2012年公開の「ローマでアモーレ」にも出演していた。恋人の友人を好きになってしまう役。
その時の役も、今回の役も、成人男性なのにどこか憎めない可愛らしさを感じさせてくれた。
現実世界にもこういう人いませんか?ほっとけない男性っていうか・・・。


●フィル(スティーヴ・カレル)

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ボビーの叔父。映画業界の大物エージェント。
超金持ちなのに家族思いでいい人。絵に書いたような理想の金持ち。ヴォニーと不倫してる。


↓以下現実世界の話
言わずと知れた名優。私の中で神のような俳優。(神が多い)
「40歳の童貞男」のような作品や、「フォックスキャッチャー
のようなシリアスな作品ましてやちょっとヤバイ奴まで演じてくれる。
フォックスキャッチャー」の彼の演技は誰が見てもヤベェ・・・ので観てない方はぜひ観てほしい。


●ヴォニー(クリステン・スチュワート )

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叔父の秘書を勤めるヴォニー。
ボビーに惚れられるが、彼の叔父と付き合っている。同性から見ても魅力的な女性。


↓以下現実世界の話
映画「トワイライト」シリーズで日本での知名度もかなりあると思いますが、個人的には
アメリカ文学の金字塔でもあるジャック・ケルアックの「オン・ザ・ロード」の映画に
出演していたのが印象に残っている女優さんです。


●ヴェロニカ(ブレイク・ライヴリー )

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その後出会う女性。美人で性格もいいのに親友に旦那を寝取られたバツ1の役。


↓以下現実世界の話
海外ドラマ「ゴシップガール」で若い子から絶大な支持を得てると思いますが、
もっと昔に、映画「旅するジーンズと16歳の夏」に出演していましたね。(19歳版もあり)
わたしはこの映画はベスト10に入るレベルで大好きな映画なので、ウディ・アレンの作品で
彼女を観れることがこの上ない幸福でした。出演映画はあまりヒット作になっていないのが哀しい。しかし相変わらずお美しい。

 


主人公のボビーが叔父のところで仕事する→叔父の秘書に恋をする→秘書には恋人がいたが、
別れたので付き合えた→だけどやっぱり元カレと結婚されちゃう→主人公は新しい職場で未来の妻に出遭う(授かり婚)→でも結婚した元カノと再会→二人は密会→でもやっぱりダメですね、って終わる。

二人はとても切なそうにお互いのパートナーと一緒にいる。


私の説明が下手すぎて、うまく伝わらないけれど。コーヒーのようにとてもほろ苦い映画だった。
なんだこれ、あの超話題の映画「ラ・ラ・ランド」みたいだな、と少し思った。
すこ~しね。
あの時こうしてれば・・・とかこの人じゃなくてあの人とずっといたら・・・とか、
人は永遠に考えてしまうものである。特に男は、過去のページをめくる生き物らしい。


人生は運とタイミングなのかもしれない。いくら考えても正しい答えは出てこないし、正しい、と思って選んだ道も、後悔するだろうし、神様に指示してほしいよ、どれが正しい道なのか。毎日毎日、今日はこれをやりなさい、って教えてほしいよ…。

失った夢だけが美しく見えるのはなぜかしら、と松田聖子も言っていた。

 

 

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妻子ある男性が、昔振られた彼女と再会。

再熱。。
既婚女性が、昔振った彼氏と再会。

再熱。。


まあ、W不倫と言われてしまえばそうなんですが、ウディ・アレンはそれをうまく表現する。
この2人になってみて考えたら、この映画はとても切ない。
配偶者側になってみたら、この映画はただの不倫映画かもしれない。
だって、奥さんがずっとお家で子育てに励んでるのに、昔の彼女とデートする旦那なんてクソ野郎です。

 奥さん、旦那に 名前(あだ名)呼び間違えられても、怒りを出さなかったから偉いなって思った。

 

 

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不倫ってどこから不倫だろう。
これは完全に心の不倫、だからもっと残酷。
心の中なんて、その人にしかわからない。本人にすらわかりきってないかもしれない。
誰かを思いつつ、違う人と一生を添い遂げる人はこの世に何人いるんだろう。

人々は様々な理由をつけるから、だからラブソングは売れるって奥田民生も言っていた。


特別な存在になれる人間はどれぐらいで、
奇妙な生き方をしている命はどれぐらいなんだろう。。


ウディ・アレンっぽいなと思ったのが主人公の最初に惚れた彼女の、彼氏は「自分の叔父」ってこと。

あっちもこっちも繋がってた!みたいな。
うん、ゲスいです。現実にこんなことあったらどうなんだろう。でも愛の形はひとそれぞれですよね。
好きになったら関係ないのだろう。
叔父の嫁が元カノっていうね・・・。


残念だな、と思ったのは、主人公の妻・ヴェロニカとのエピソードが少ないこと。
96分という時間の中ではしょうがないのかもしれないけれど。

 


この映画みて、昔を思い出してしまった人はどのくらいいるの?


切ないねえ。片思いは結核より多くの人間を殺してしまうらしいよ。

 


最後の最後まで、月並みのことを言いますが
ミッドナイト・イン・パリ」を超える作品にはまだ出逢えなかった、です。

 

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